■Vol.15 No.21 通巻323号 2018年11月7日発行
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(大野修嗣編著. 漢方学舎実践編1臨床カンファレンス実体験. 源草社, 2016より引用改変)
 本コーナーでは、『漢方学舎 実践編1 臨床カンファレンス実体験』(大野修嗣、源草社、2016年)で掲載された出題・解答・カンファレンスをQ&A形式で紹介します。
 編著者の大野修嗣先生(大野クリニック)は、平成17年よりWeb上で「大野塾」という漢方を学ぶサイトを開設されています。大野塾での興味深い症例検討を前述の書籍にまとめられています。このたび、本書からの転載をご許可いただき、その一部を小誌で連載させていただくことになりました。
 「漢方医学を習熟するコツの1つは実際の臨床の中で豊富な使用経験を積むことである〜(中略)〜毎月筆者が症例を演習問題と提示して、会員の先生方がその症例についてカンファレンス形式で解答に近づくという趣向である」(本書序文より)。

 症例とカンファレンスをご一読いただき、実際に用いられた漢方薬を検討してみましょう。解答ボタンを押すと、処方された漢方薬、解説・質疑をご覧になれます。

No.5 腹痛、胸腹部の冷え

Q5. 腹痛、胸腹部の冷え

下記の症例に用いられた処方を検討してみましょう。

症例 50歳、女性(事務員)

 当院では、最近お腹の症状を訴えて来院する方が増えています。本日も腹痛と嘔気を訴えて薬局勤務の方が来院されました。昨日腹痛があり、近医受診して、感染性胃腸炎の診断の基にブチルスコポラミン、セフカペン ピボキシル塩酸塩、ビフィズス菌整腸剤を処方されて、ちっとも良くならないと来院。腹診で強度の胸脇苦満を認めました。何かありそうとレ線、エコーで胆石を確認。胸脇苦満・嘔気に対して大柴胡湯を処方、胆石に基づくことが疑われた腹痛に対して頓用で芍薬甘草湯を処方いたしました。いつか症例検討に出題しようかと考えています。
 今月の出題は、こんなことから腹痛の1例としました。
[主 訴]腹痛、胸腹部の冷え
[既往歴]卵巣のう腫(30歳)、不妊治療(37歳)、甲状腺腫(45歳)
[現病歴]X年暮れから上半身に冷えを感じるようになり、便秘が出現。市販の便秘薬を服用すると腹痛があり服用ができない。胸部の違和感、頭冒感、気力がなくなった、食欲不振、髪が逆立つなどの症状が出現してX+1年1月17日に来院。補中益気湯にて胸部の違和感、頭冒感などの症状はおおよそ改善してきたが、胸背部の冷え、胃部の冷え、嘔気、腹痛が増強してきたといって再度1月30日に再診
[現 症]身長157cm、体重55kg、血圧130/74mmHg、脈拍72/分、整。聴診上胸部には異常所見ないが、腸雑音のわずかな亢進を認めた
[検 査]N.D.

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