■Vol.15 No.19 通巻321号 2018年10月10日発行
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No.7 呼吸器疾患 慢性期呼吸器疾患 ─COPDと嚥下性肺炎などを中心に─

加藤 士郎 筑波大学附属病院臨床教授、医療法人社団友志会野木病院副院長
加藤 彩花 東京歯科大学歯学部
(Geriat. Med. 56(7):675~681, 2018より転載)
POINT
  • COPDで全身倦怠感、食欲不振、体重低下、うつ傾向、微熱のあるときは補中益気湯が適用となる。
  • COPDの気道炎症で乾燥感があり、痰が少ない咳では麦門冬湯、痰が多い咳では清肺湯が適用となる。
  • 嚥下性肺炎では比較的ADLが保たれていて、喉が詰まるときは半夏厚朴湯が適用となる。
  • 嚥下性肺炎で全身倦怠感、脱力感などがあり、声が出にくいときには補中益気湯が適用となる。
  • 非定型抗酸菌症の全身倦怠、食欲不振、微熱には補中益気湯を中心とした参耆剤が適用となる。
KEY WORDS ■高齢者 ■漢方薬 ■COPD ■嚥下性肺炎 ■非定型抗酸菌症

はじめに

 慢性閉塞性肺疾患(Chronic Obstructive Pulmonary Disease:COPD)は、タバコなどの有害粒子やガスに対する肺の異常な炎症反応であり、進行性の気流制限を特徴とする疾患である。長年の経過の後に出現する気流制限に先行して、咳・痰・呼吸困難などの臨床症状を示す。男性に多く、40歳以上の人口の8.6%以上にみられ、高齢になるほど増加し、推定患者数は530万名以上とされている。すなわち、加齢と環境因子によって増加している疾患である。
 COPDは西洋医学的には長時間作用型抗コリン薬やβ2刺激気管支拡張薬などの吸入、さらに喘息を合併したときのステロイド薬の併用などによる治療が確立されているのは周知の事実である。
 漢方医学的にもいくつかのエビデンスが確立されており、西洋医学的な治療と漢方医学的な治療を合わせた洋・漢統合治療が最も適しているのが慢性呼吸器疾患である。つまり、慢性呼吸器疾患では、最初から積極的に洋・漢統合治療を進めるべき疾患である。

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