■Vol.15 No.15 通巻317号 2018年8月8日発行
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第1回 夏の養生と漢方薬 三谷 和男 先生

三谷和男先生
三谷 和男 プロフィール
医療法人 三谷ファミリークリニック 院長
奈良県立医科大学大和漢方医学薬学センター 副センター長
京都府立医科大学 特任教授

はじめに

 夏は梅雨あけから本格的な暑さがきます。夏は「陽気」がもっとも盛んな時期です。草も木もいっぱい広がり、ひとまわりも大きくなります。昔は障子をはずしてスダレにいれかえたり、ヨシズをはったりするなかで、夏向きの生活設計を考えたものです。特に昼寝はいいですね。また、日が暮れるのが遅くなるため、つい夜ふかしをするようになります。睡眠時間は十分にとりましょう。エアコンを上手に利用し、適当に外気にあたり、日光を求めることが大切です。夏は成長の時期ですから、気持ちも常にのびのびとした状態に保つことが大切です。内にこもらず、おおいに発散してください。

「定斉(じょうさい)」のこと

 夏の疲れにビタミン剤を利用する人もおられますが、江戸時代にも、暑気払いや夏まけの薬を適当に服薬しています。このクスリを売る人を「定斉屋」とよびます。大きな薬箱を二つ、てんびん棒でふりわけてかつぎ、炎天下に笠もかぶらず「定斉飲めば暑気にあたらず」と拍子をとって、箱の金具をカタカタと鳴らして市中を行商しました。なつかしい夏の風物詩だったようです。「定斉」は白湯(さゆ)で飲みますが、胃腸の働きが低下しているときに用いる六君子湯を原方にしており、食欲をすすめ、栄養を補うことによって、全身の新陳代謝を亢進させる作用があります。

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