■Vol.15 No.15 通巻317号 2018年8月8日発行
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認知症とフレイル No.2

アルツハイマー型認知症患者さんの食欲不振に
 近年は、認知症のBPSD(行動・心理症状)に対して抑肝散が用いられるようになった。「易怒性」「興奮」などの症状に対しては治療法が広く認識されている一方で、「元気がない」「活動量の低下」「抑うつ」「不眠」(アパシー)を呈する認知症の患者さんに対する治療については、医療従事者でもあまり認識されていないこともあるようだ。認知症の患者さんがフレイルに陥るリスクも高い。そこで、今号では大澤誠先生(大井戸診療所 理事長・院長)に実際の症例に基づいた認知症診療について解説いただいた。次号では、森満先生(医療法人社団翠会 行橋記念病院 精神科)による症例解説を掲載予定である。
大澤誠先生
大澤 誠  プロフィール
(医)あづま会 大井戸診療所 理事長・院長

はじめに

 当院は開業以来、認知症の患者さんを中心とした在宅医療・ケアを行ってきた。在宅医療では一般に先端医療の導入が困難で、医療情報が制限されているにも関わらず、難しい判断を迫られることがある。それゆえ五感を用いた漢方治療の真価は、在宅でも非常に有用なツールになりうる可能性を秘めている。加えて、近年漢方治療のエビデンスが急速に蓄積されつつあるが、『高齢者の安全な薬物療法ガイドライン2015』において「漢方薬・東アジア伝統医薬品」の章に表されているように、現代の医療システムに明確に位置づけられるようになってきている。その中でも、特に在宅患者さんの生きる力を賦活する「補剤」のユニークな効果は注目に値する。
 本稿では、「人参養栄湯」を例にあげて、フレイルな認知症の患者さんの生活を支える漢方薬の有用性をご紹介する(使用する事例に関しては、匿名性に配慮し、個人情報の保護に注意した)。

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